第4回 図書館サポートフォーラム賞受賞

財団法人 松竹大谷図書館

須貝弥生氏と伊藤幸子氏 須貝弥生氏
【松竹大竹図書館ウェブサイト】
【受賞のことば】 須貝 弥生氏
 財団法人松竹大谷図書館事務局の須貝と申します。本日は図書館サポートフォーラム賞を頂戴いたしまして、まことにありがとうございました。
 財団法人松竹大谷図書館は松竹株式会社を母体とする、演劇・映画の専門図書館です。松竹株式会社は、白井松次郎・大谷竹次郎という双子の兄弟が明治28年(1895年)に歌舞伎の興行に参加したことを創業とする100年以上の歴史を持つ演劇・映画の興行会社です。松竹歌舞伎興行の歴史はそのまま近代歌舞伎の興行の歴史と言っても過言ではありません。大正9年には映画の製作にも乗り出しまして、小津安二郎、木下恵介、山田洋次など名監督を輩出しております。
 兄の白井松次郎氏は昭和26年に亡くなったのですが、弟の大谷竹次郎氏は昭和30年に文化勲章を受賞されまして、これを機に、更に社会のお役に立ちたいと思われまして、松竹が長年集めてきました演劇・映画に関する資料を一般公開するために図書館をつくろうと思われました。
 昨年6月に亡くなりました小河明子館長は、この図書館を立ち上げるべく、昭和32年に北海道から上京なさいました。まさに無からの出発で、分類の方法、整理の仕方を考案し、さらに本があればそれで図書館になると思っている会社の人たちに、手をかけて整理をしないと図書館というのは機能しないんだということを説明してまわったりして、1年数ヶ月の準備期間の後に、昭和33年7月に開館いたしました。
 演劇・映画の雑誌・単行本のほかに市販されていない映画の台本、演劇の台本、ポスター、プログラム、写真などを所蔵しております。そのほかに、開館当時から小河館長が考案されました。演劇の「上演記録カード」を作っております。なになにというお芝居は何年何月どこ劇場で上演したという事を検索できるカードで、それがわかりますと、そのときのプログラムを探せます。また雑誌などに掲載された劇評なども出すことができます。基本ツールとなる「上演記録カード」は現在でも作り続けておりますし、徐々にデータベースにしていきたいと思っております。
 開館以来44年間図書館を育ててこられました小河館長が亡くなりまして、のこりました職員は右往左往するばかりでしたが、この図書館の独自性、有用性を認めて下さる皆様のおかげで何とか今まで頑張って来られました。生前小河さんが参加なさっていましたライブラリアンクラブの皆様の推薦で、今回、図書館サポートフォーラム賞をいただきましたことは、私たち職員にとって、たいそう励みになります。ありがとうございました。
 今後も大谷竹次郎氏、小河館長の志を引き継ぎまして、より良い図書館になりますよう私たちも努力して行きたいと思います。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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