〜第4回 図書館サポートフォーラム賞受賞〜

立川とラオスを絵本で結ぶ会

嶋田敏郎氏ほか
【受賞のことば】 嶋田 敏郎氏
 立川とラオスを絵本で結ぶ会の嶋田と申します。本日はこのような賞を授与して頂きまして、たいへんありがとうございます。歴代の受賞者の方々、あるいは今日受賞された他のおふたかたと同じ光栄に浴することをたいへんうれしく思っています。と同時に、非常に恐縮を感じるところであります。
 立川市内を12年間走りつづけた立川市の移動図書館車「大空号」が一定の役割を終えて、廃車になるという時に当時の担当者が、このまま廃車にしてしまうのは忍びない、どこかで使ってもらえるところはないかと、いろいろ情報を収集したところ縁がありまして、'98年の2月に第2の活躍の場ということでラオスに渡る事になりました。
 翌年、私たちの会のメンバーが「大空号」のその後の様子を見に7人ほどラオスへ伺いました。その移動図書館車のかつての担当だった者も懐かしいということで、参加していました。その訪問の際に、ラオスの子どもたちが、絵本に瞳を輝かせて食い入るようにしている姿に出会いました。ラオスの図書館の方も非常に熱心でした。その様子を見て、私たちは感動しました。
 その一方では、ラオスの出版事情の立ち遅れという様子を伺って来まして、帰ってきてから報告会を開催しながら、何か私たちにできることはないかと思い、いろいろ試行錯誤をしてまいりました。そういう中で市民の方の参加を得て「立川とラオスを絵本で結ぶ会」を立ち上げました。
 私たちの活動の主な内容は、絵本を届けるということです。ラオスの現地で図書館活動の支援をしている日本のNGOで、シャンティ国際ボランティア会というのがあるのですが、この賞の2回目の受賞者の安井清子さんも所属していますが、そこで絵本を届けるということをしています。日本で出版されている絵本を翻訳してシールをつくって、絵本とシールをセットにしてラオスに届ける、という運動を展開しているわけです。それを私たちもぜひ立川の地で、広く市民の方の協力を得ながらやっていきたいということで、活動してきました。これが、今回の受賞の一番の大きな理由になると思っています。
 二番目に、「大空号」は立川市内で12年間、ラオスで今年5年目になりまして、ラオスは道路事情も悪いこともあり、都合17年間も走っておりますと、かなり故障などもあるのではないかということで、メンテナンスの支援活動もしてまいりたいと思っています。 そのほか、ラオスの子どもたちの置かれた状況や図書館の活動の状況を、市民の方に周知していきたいと思います。そして、子どもたちの文化活動も支援できればと考えております。
 昨年9月にラオスの国立図書館の職員の方たちふたりが日本にいらっしゃる機会がありました。ぜひ、立川にお呼びしたいということで、9月23日に立川にお招きして、講演会とかいろいろと立川の市民の方との交流の場を作りました。今年もラオスの方がふたりみえられるという情報を得ましたので、ぜひまた7月に立川の地にお招きして交流の場を作りたいと思います。
 以上がだいたいの、私たちの活動の内容です。会を立ち上げる前段で、2年間くらい試行錯誤していまして、実際に会が立ち上がったのは昨年の6月でした。まだまだ実績がないので、受賞には非常に恐縮してしまうのですが、この賞は、私たちも歴代の受賞者のように長い実績を持つようにとの叱咤激励と受け止めまして、喜んで受賞したいと思います。この賞を契機にして、月1回の「大空号」を首を長くして待っているラオスの子どもたち、瞳を輝かせて絵本を読む子どもたちに改めて思いを馳せながら、力強く活動を続けていきたいと思います。
 最後になりましたが、日頃私たちの会に協力していただいている団体の方々に、この場をお借りしまして、お礼を申し上げたいと思います。 本日はこのような賞をいただきましてありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
嶋田敏郎氏

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