日外アソシエーツ
選りすぐりの60点から浮かび上がるヨーロッパの「装い」の一断面
装いのアーカイブズ―ヨーロッパの宮廷・騎士・農漁民・祝祭・伝統衣装
Costume Archives
著 者: 平井紀子〔著〕 装いのアーカイブズ
定 価: 本体3,200円+税
刊行年月: 2008年5月
ISBN: 978-4-8169-2103-2
判型・頁数: A5判・250頁
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imageアイコン 本文(抜粋) PDF 1,076KB | あとがき PDF 896KB
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内 容: ヨーロッパの中世から近代を中心に、当時の人々の衣装・衣服の全体像の一端に迫る。「君主および皇帝・皇后の服装」「戦士の服装」「祝祭服・儀礼服」「作業服・農民服・職業服」「地域の伝統衣装」「スポーツ・レジャー服」など諸階層の服装について、時代・社会背景とともに詳説。参考文献も掲載。
著者略歴:
平井紀子(ひらい・のりこ)
1940年、東京生まれ。
1960年、文化女子大学図書館勤務、司書長。2000年、同大学退職。退職後、(財)ファッション産業人材育成機構資料室。聖徳大学、亜細亜大学図書館司書講習講師。2004年より都留文科大学司書課程非常勤講師。アート・ドキュメンテーション学会会員。
<主要論文など>
『書誌年鑑』(日外アソシエーツ、1983年〜1996年分担編集)、『服飾史の基本文献解題集』(館報池田文庫連載:私家版)。「“服飾”専門図書館の現状と課題」、「戦後ファッション雑誌の変遷についての一考察」、「ファッションに関する主題分野の考察」、「日本のファッション誌:発祥と変遷」など。
まえがき:

 「衣食住」というように、衣は人間にとってもっとも必要最低限のモノです。人類誕生から私たち祖先は何らかのモノを身につけてきました。

 文明・文化の進化、社会情勢の変化は人間生活を変え、衣服は身体を護る基本的な機能を超え、時代の思潮、着用している人物の身分・階級や職業、あるいは地域・民族の象徴をあらわす社会性をもつ様々な機能・目的を備えたモノへと拡散していきました。

 服装の歴史は、まさに人間そのものの歴史ともいえます。

 しかし、歴史はおもに政治、経済などの国を動かすような出来事が事実として正史に記録されている一方、服装はそれに記録されることは少なく、「風俗」という分野で切り離されて捉えられることが多いようです。

 また、服装の歴史を研究する文献について眺めてみても、往々にして、「服装(飾)史」という歴史的な変遷を中心に著述したものと、民族(人種)や地域を単位とした、いわゆる「民族(俗)服」を解説したものに二分されているように思えます。しかし、民族服とは民族の特徴をあらわす歴史的衣装のはずであり、服装の歴史のなかに組み込まれてもよい分野です。

 本書は、少例ではありますが、衣服の機能や服種により類別し、服装史、民族服というように分かれていた既存の文献とは異なる構成をとりました。

 およそ中世から近代を対象としていますが、「衣」というフィルターを通して「人間の文化」を見つめなおしてみたいと考えたのです。

 衣装を時代による様式やデザインの変遷から、「服装図像学」の展開への手がかりの一歩として試みました。

 社会階級からみればおもに王侯貴族の衣装を対象とした歴史服と民間で着用された民族服を並列して眺めることにより、西洋の人びとの衣装・衣服の全体像の一端が見えてくるのではないでしょうか。

 筆者は服飾の専門研究者ではありません。服飾の専門図書館で多くの古典的な服装文献を手にとり、羊皮紙や古い紙に印刷、記述された文献の重みを感じ、また時には手彩色された美しいみごとなプレートを見てきました。その経験を通して生まれたのが本書です。

平井紀子
目 次: まえがき
第一章 君主および皇帝・皇后の服装
 1.マリー・アントワネットの宮廷衣装(18世紀後半)
 2.皇帝ナポレオン期の宮廷礼服(19世紀初頭)
 3.皇后ジョセフィーヌ聖別式の衣装(19世紀初頭)
 4.スルタナ(正妻)あるいは寵姫(オスマン・トルコ)(15世紀〜19世紀)
 5.タシケント スルタン(君主)の外衣(?〜19世紀)

第二章 戦士の服装
 1.イェニチェリのスプーン持ち(オスマン・トルコ)(16世紀)
 2.十字軍兵士の戦闘服(11世紀末〜13世紀)
 3.ジャンヌ・ダルクの戦士服(15世紀前半)
 4.十七世紀のフランス騎士(17世紀前半)

第三章 祝祭服・儀礼服
 1.ロシア モルドヴィア地方の婦人(15世紀〜18世紀)
 2.ウエールズ ドルイドの祭礼服(?〜12世紀頃)
 3.教会へ向かう老女とパルドン祭(11世紀〜)
 4.聖週間(ホーリー・ウィーク)の行列衣装(6世紀?〜)
 5.嘆きの聖女マリア巡礼祭(13世紀?〜)
 6.ロマン主義時代の結婚衣装(19世紀前半)
 7.カルパトス島の結婚衣装(?)
 8.白糸刺繍の洗礼服(19世紀中期)
 9.十九世紀中期の喪服(19世紀中期)

第四章 作業服・農民服・職業服
 1.ラップ人の漁労服(18世紀)
 2.イタリア テオドーネの農婦の冬服(19世紀後半)
 3.サルデーニァ島のパン屋の主婦(19世紀)
 4.ミルクを市場に運ぶ村娘(18世紀末〜19世紀頃)
 5.チロルの猟師(18世紀後半〜19世紀頃)
 6.イタリアの帽子売り(16世紀後半〜17世紀)
 7.ドイツの飛脚(15世紀〜18世紀)

第五章 地域の伝統衣装
 1.シルクロード地帯の服装(?)
 2.スコットランド高地地方の伝統衣装(13世紀?〜)
 3.ブルボネ地方の民俗服(19世紀)
 4.エボレーヌ村の少女(19世紀)
 5.ユニークで美しいレースの帽子(18世紀)
 6.モラヴィア地方の伝統衣装(18世紀後半〜19世紀)

第六章 スポーツ服・遊戯服
 1.狩猟服(16世紀頃〜)
 2.乗馬服(19世紀初頭〜)
 3.アイス・スケート(19世紀頃〜)
 4.ローンテニス(19世紀〜)
 5.クロッケー(19世紀〜)
 6.ヴォラン(volant)羽根つき・バドミントン(19世紀初頭〜)
 7.サイクリング(19世紀後半〜)
 8.海水着(19世紀後半〜)
図版出典一覧
参考文献
索引
あとがき

 


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