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第206回 件名編(2025年3月)

2025.3.14 update
キーワード 書誌表示 編著者名  『書名 巻次』/「誌名 巻.号.通号」 発行所 発行年月 掲載頁
医療 参考文献 鈴木真吾 『近代オスマン帝国における国家医療の誕生 : 湾岸都市イズミルの衛生と感染症』 慶應義塾大出版会 2024.12 p59-78b
印象主義 参考文献 西岡文彦 『印象派の発明 : 美の技術革新と市場の創造』 勁草書房 2024.12 p261-262
浮世絵 参考文献 堀口茉純 『大江戸花形絵師競 : おもしろすぎる!浮世絵案内』 山川出版社 2024.12 p218-220
映画 文献リスト 図師宣忠 『映画で味わう中世ヨーロッパ : 歴史と伝説が織りなす魅惑の世界』 ミネルヴァ書房 2024.12 p257-261
冤罪 参考文献 西愛礼 『冤罪 : なぜ人は間違えるのか』 集英社インターナショナル 2024.12 p270-283
会計 参考文献 北浦貴士 『ビジネスリーダーの会計史 : 戦前日本の会計イノベーション』 有斐閣 2024.12 p261-269
家族法 実務に役立つ資料 渡邉愛里 『行政書士のための新しい家族法務実務家養成講座 : おひとりさま・LGBT・事実婚…この本で新しい家族法務のプロになる。 2版』 税務経理協会 2024.12 p301-306
感情 引用参照文献 大平英樹 『感情心理学・入門 改訂』 有斐閣 2024.12 p243-271
官能評価 参考文献 内田治 『わかりやすい官能評価と多変量解析の本』 日本規格協会 2024.12 p177-178
管理会計 参考文献 片岡洋人 『レベニュー・マネジメントの理論と展開』 中央経済社 2024.12 p241-252
企業内教育 参考文献 関根雅泰 『オトナ相手の教え方 改訂新版』 クロスメディア・パブリッシング 2024.12 p246-247
金利 参考文献 平山賢一 『金利の歴史』 中央経済社 2024.12 p218-213
経済人類学 参考文献 前田芳人 『人間存在の経済人類学 : 社会再生への道程』 弦書房 2024.12 p445-450
刑務所 文献一覧 毛利真弓 『刑務所に回復共同体をつくる』 青土社 2024.12 p1-5b
契約法 文献 鎌田薫* 『債権法改正講座 3 契約』 日本評論社 2024.12 p391-402
行動経済学 参考文献 黒川博文 『分析者のための行動経済学入門 : プロスペクト理論からナッジまで、人間行動を深く網羅的に解明する』 ソシム 2024.12 p368-378
小売商 参考文献 南方建明 『商業集積と小売業の動態 : 2000年代からアフターコロナまで』 晃洋書房 2024.12 p225-235
高齢化社会 参考文献 橘木俊詔* 『団塊ジュニアの医療と介護 : 超高齢化社会における社会保障制度』 東京大出版会 2024.12 p238-243
国際金融 参考文献 中島真志 『Swift : グローバル金融ネットワークの全貌』 東洋経済新報社 2024.12 p383-385
国際政治 参考文献 脇祐三 『グローバルサウスの時代 : 多重化する国際政治』 光文社 2024.12 p309-316
色彩 参考文献 荘真木子* 『366日ヨーロッパの伝統色図鑑』 パイインターナショナル 2024.12 p410-413
資本主義 参考文献 メイヤーC 『資本主義再興 : 危機の解決策と新しいかたち』 日経BP 2024.12 p434-438
社会哲学 読書案内 ホーリーK 『信頼と不信の哲学入門』 岩波書店 2024.12 p4-12b
借地借家法 参考文献 澤野順彦 『実務解説借地借家法 4版』 青林書院 2024.12 p519-520
宗教 参考文献 テタールF 『地図とデータで見る宗教の世界ハンドブック』 原書房 2024.12 p184-187
住宅建築 参考文献一覧 小沢朝江* 『大地と生きる住まい : 開墾地にみる農村住宅の近代化』 創元社 2024.12 p258-260
城跡 参考文献 飯村均 『よみがえる東北の城 : 考古学からみた中世城館』 吉川弘文館 2024.12 p186-190
植民地主義 文献目録 中野敏男 『継続する植民地主義の思想史』 青土社 2024.12 p8-26b
深海魚 参考文献 岡本誠* 『日本の深海魚図鑑』 山と溪谷社 2024.12 p166-176
神話 参考文献 コルテジアーニJP 『図説古代エジプトの神々・神話百科事典』 原書房 2024.12 p703-704
睡眠 文献 福田一彦 『そもそも「よい眠り」とは何か : 努力によらない睡眠改善のヒント』 大修館書店 2024.12 p147-146
数理社会学 文献 小田中悠 『日常的な相互行為の数理社会学 : 嘘と秘密とゲーム理論』 晃洋書房 2024.12 p163-174
政治学 参考文献 酒井大輔 『日本政治学史 : 丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで』 中央公論新社 2024.12 p265-290
選挙制度 参考文献 和田淳一郎 『一票の平等の政治経済学 : 一人一人の投票価値の平等を追求する』 勁草書房 2024.12 p167-169
想像 文献 クラークCD 『空想の翼と信じる力 : 子どもの神話と発達の人類学』 ミネルヴァ書房 2024.12 p181-190,
252-254
地方公務員 参考文献 新規採用研修研究会 『自治体職員スタートブック : 自治体のしくみと仕事の基本がわかる! 4次改訂』 学陽書房 2024.12 p259-262
動物 文献表 中村禎里 『日本動物民俗誌』 講談社 2024.12 p230-249
妊娠中絶 書籍作品リスト 石原燃* 『わたしたちの中絶 : 38の異なる経験』 明石書店 2024.12 p391-400
参考文献 友田明美 『最新脳研究でわかった子どもの脳を傷つける親がやっていること』 SBクリエイティブ 2024.12 p220-222
売春 参考文献 リスターK 『<図説>世界の性と売買の歴史 : バビロニアの神聖娼婦から江戸吉原、第二次大戦下まで』 原書房 2024.12 p12-13b
発達障害 参考文献 橋本和明 『子どもをうまく愛せない親たち : 発達障害のある親の子育て支援の現場から』 朝日新聞出版 2024.12 p245-246
発達性協調運動症 文献 横道誠 『<逆上がり>ができない人々 : 発達性協調運動症(DCD)のディストピア』 明石書店 2024.12 p188-190
物価 参考文献 平山賢一 『物価の歴史』 中央経済社 2024.12 p193-189
兵役 参考資料 吉田敏浩 『赤紙と徴兵 : 105歳、最後の兵事係の証言から』 筑摩書房 2024.12 p360-365
弁護士 引用文献一覧 安岡崇志 『日本弁護士総史 : 奉行所の世話人から渉外ローファームまでの200年余』 勁草書房 2024.12 p321-329
放射線防護 参考文献 矢ケ崎克馬 『放射線防護の科学と人権』 緑風出版 2024.12 p171-182
保険 参考文献 中出哲 『保険 : 仕組み・商品・事業の本質を考える』 有斐閣 2024.12 p335-339
薬局 参考文献 井手口直子 『薬局のしくみ : イラスト図解 : 知りたいことが全部わかる! 最新版』 日本実業出版社 2024.12 p171-172
労働者教育 文献* 奥村旅人 『労働学校における生の充溢 : 生涯教育の空間論序説』 東信堂 2024.12 p222-233
労働問題 参考文献 アルテンリートM 『AI・機械の手足となる労働者 : デジタル資本主義がもたらす社会の歪み』 白揚社 2024.12 p285-276

編者:有木太一ふとし紹介

 1968年11月、東京都杉並区の産婦人科で生まれ、世田谷区で乳幼児期を過ごし、小学校入学時に群馬県に移る。市立の小・中学校と県立の高校を卒業し、少し長い浪人期間を経て、早稲田大学第二文学部(現文化構想学部・文学部)に入学。“大学5年生”の時、図書館司書資格関係の講座を受講し、深井人詩・中西裕両先生に師事。この縁で、2018年2月「最近の書誌図書関係文献」を引き継ぐことになった。また、『書誌年鑑』2016・2017年版で編集作業を見習い、2018年版から編者に就任した。現在は東京都特別区西部在住。

 これまで連載を続けられた中西裕先生は、連載開始から満10周年となる2018年1月をもってご勇退されました。2008年2月からの10年間、本当にお疲れさまでした。この2月からは、有木太一が担当します。未熟者ですが微力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。体裁や掲載ルールなどは、基本的にこれまでと同じです。

2018年2月 有木太一

2008年「最近の書誌図書関係文献」再開にあたって (中西ゆたか

 『日本古書通信』誌で長期にわたって連載され、2007年7月をもって終了した「最近の書誌図書関係文献」が日外アソシエーツ社のご厚意でここに復活することとなった。

 歴史をたどってみると、書誌学者天野敬太郎が昭和15年(1940年)に連載を始め、戦争が激しくなったために昭和19年(1944年)に中断、10年のブランクを経て戦後昭和29年(1954年)に再開されている。天野は昭和42年(1967年)に手を引き、深井人詩氏にバトンタッチされた。その後渡辺美好が共編者となった時期を経て、最後に中西が引き継ぐこととなった。中断期間はあるものの、想像を絶するほど長い時代にわたって、この連載は書誌の世界を眺めてきたことになる。

 再開される本連載では『日本古書通信』誌での形式を基本的にすべて踏襲することとした。したがって、ここで紹介していくのは新しく編まれた書誌・目録である。1冊全体が書誌であるものはもちろん、研究書に収められた参考文献なども対象とする。あるいは著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録することとする。もうひとつの柱である「図書関係文献」は年に1回程度とりあげることとなろう。唯一異なるのは書名等の長さに制限を加える必要がなくなったことぐらいである。

 Webの世界に親しんでいない方にご覧いただけないのは残念である。携帯電話を持たず、電子辞書も敬遠している、本質的に活字人間である編者としては、できることなら印刷媒体での再開を企図していたのが正直なところだが、時代は想像以上に進んでいる。昨秋、新語事典が1種を残して刊行休止と伝えられたのは象徴的な事態であった。Web上での新語検索が主流となったことによるという。暮になると店頭に山のように詰まれていた新語辞典を見ることがもうなくなるのかと思うと、まことに寂しい。

 ともあれ、こうして再開されることは編者にとってもまことにありがたいことである。1年間の「書誌の書誌」を集積した『書誌年鑑』を発行する出版社のホームページ上で連載できることはあらゆる意味で願ってもないことである。ぜひご活用いただき、あわせて漏れているもののご指摘などを伺えるとすれば、Webでの公開の意義も高まることであろう。

2008年2月15日 中西 裕(昭和女子大学教授)

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