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第214回 件名編(2025年11月)

2025.11.17 update
キーワード  書誌表示   編著者名   『書名 巻次』/「誌名 巻.号.通号」 発行所     発行年月 掲載頁  
いじめ 文献 藤井和郎 『加害者の指導と支援でいじめを減らす : いじめを限りなくゼロにする教師のかかわり・学校のかかわり・親のかかわり』 遠見書房 2025.8 p102-103
遺書 参考文献一覧 梯久美子 『昭和の遺書』 中央公論新社 2025.8 p242-243
映画 参考文献 井上秀樹 『日活向島撮影所』 白水社 2025.8 p265-269
易・占い 引用史料参考文献 菅原正子 『占いと中世人 : 政治・学問・合戦』 吉川弘文館 2025.8 p188-199
絵本 参考文献 工藤左千夫 『絵本児童文学基礎講座 1 すてきな絵本にであえたら』 原書房 2025.8 p184-188
外来種 参考文献 宮本道人* 『外来種がいなくなったらどうなるの? : SF思考で環境問題を考える』 Kaguya Books 2025.8 p166-169
科学論文 書籍リスト 西山聖久 『ChatGPT科学英語論文作成術 : 忙しい研究者のための』 技術評論社 2025.8 p217-219
果樹栽培 参考文献 倉橋孝夫* 『基礎からわかるおいしい果樹栽培の教科書 : 果実は、光と糖でできている』 農山漁村文化協会 2025.8 p197-199
歌人 参考文献 瀬戸夏子 『をとめよ素晴らしき人生を得よ : 女人短歌のレジスタンス』 柏書房 2025.8 p248-254
歌舞伎 参考文献 岡崎成美 『戦下の歌舞伎巡業記 : 柝の音は止まず』 河出書房新社 2025.8 p267-269
貴族 参考文献 倉本一宏 『平安貴族の日記を読む事典 : 御堂関白記・小右記・権記』 吉川弘文館 2025.8 p230-232
行政争訟 単行本 大島義則 『実務解説行政訴訟 2版』 勁草書房 2025.8 p32-34f
経済政策 参考文献 内閣府 『経済財政白書 令和7年 内外のリスクを乗り越え、賃金を起点とした成長型経済の実現へ』 日経印刷 2025.8 p478-484
劇場 参考文献リスト* 辻槇一郎 『能楽堂の誕生 : 「日本的近代化」を遂げた劇場空間』 中央公論美術出版 2025.8 p315,324-329
建設機械 参考文献 大川聰 『日本の建設機械史 : 江戸時代の作業船から無人オフロードダンプまで』 三樹書房 2025.8 p172-177
交渉 ブックガイド 奥村哲史 『交渉戦略』 日経BP日本経済新聞出版 2025.8 p357-360
恒星 参考文献 野本憲一* 『シリーズ現代の天文学 7 恒星 2版』 日本評論社 2025.8 p377-378
高齢者福祉 参考文献 新村拓 『老いと介護の日本史 : 「認知症」への眼差し』 吉川弘文館 2025.8 p185-187
コオロギ 文献リスト 竹田真木生 『コオロギたちのすだく夜に』 京都大学術出版会 2025.8 p277-282
国防 参考文献 一ノ瀬俊也 『〈国防〉の日本近現代史 : 幕末から「台湾有事」まで』 講談社 2025.8 p389-404
孤児 参考書籍資料 長谷川敦 『戦争が終わり、そして子どもたちの戦いが始まった : 戦後80年を生き抜いた戦争孤児の物語』 旬報社 2025.8 p252-255
採用管理 参考文献 鈴木洋平 『採用基準のつくり方』 クロスメディア・パブリッシング 2025.8 p190-191
児童虐待 引用作品一覧 シンノN 『悲しき虎』 新潮社 2025.8 p253-256
出版 参考文献 ロブM 『英国ブックセラーの歴史 : 出版・書店・販売』 原書房 2025.8 p306-310
証券市場 参考文献 大村敬一* 『証券論 : History,Logic,and Structure 新版』 有斐閣 2025.8 p473-480
情動 引用文献 バーラントL 『残酷な楽観性』 花伝社 2025.8 p1-30b
女性 参考文献 根岸理子 『凛々しき明治女性たち』 論創社 2025.8 p197-199
書籍商 参考文献一覧 日比嘉高 『帝国の書店 : 書物が編んだ近代日本の知のネットワーク』 岩波書店 2025.8 p385-396
書道 参考文献 田中亮 『もっと知りたい中国の書』 東京美術 2025.8 p94-95
心臓 参考文献 杉岡充爾 『名医が教える : 強い心臓・血管のつくりかた』 リベラル社 2025.8 p197-196
租税制度 参考文献 宇都宮健児* 『富裕税入門 : なぜ資産に課税しないのか : 富の格差是正のために』 明石書店 2025.8 p70-91,
107-108,
156-157
探検 参考文献 菊地敏之 『冒険者たちの心理 : 彼らはなぜ命を賭けるのか』 山と溪谷社 2025.8 p284-285
淡水魚 参考文献 細谷和海 『日本の淡水魚 4版』 山と溪谷社 2025.8 p580-581
地域開発 参考文献 田中輝美 『関係人口の時代 : 「観光以上、定住未満」で地域とつながる』 中央公論新社 2025.8 p218-208
聴覚障害者教育 引用文献 松﨑丈 『ろう重複障害の子どもたちとのコミュニケーション : つながる、わかちあう視点を探る』 明石書店 2025.8 p212-214
刀剣 セツカ 『どこから探したらいいかこまってしまうひとに日本刀の本を紹介する本 2版』 綴虚堂 2025.8 64p A5
動物行動学 おすすめブックガイド 松原始 『君たちはなぜ、そんなことしてるのか? : 東大准教授のひそやかな動物行動学講義』 山と溪谷社 2025.8 p324-332
童謡 参考文献 わらべうたネットワークうたぼっこの森 『雨がふってもわらべうた : うたって笑ってわらべうた : 3歳から150選全曲音源つき』 ひとなる書房 2025.8 p136-137
土壌 参考文献 トムプキンズP* 『土壌の神秘 : ガイアを癒す人びと 新装』 春秋社 2025.8 p1-10b
図書館 参考文献 大場博幸 『図書館の公的供給 : 使命・利用者・利用料』 樹村房 2025.8 p253-275
渡来人 参考文献 高田貫太 『渡来人とは誰か : 海を行き交う考古学』 筑摩書房 2025.8 p353-358
度量衡 参考文献一覧 小泉袈裟勝 『度量衡の歴史 新装』 吉川弘文館 2025.8 p297-301
内燃機関 参考文献 鈴木孝 『名作・迷作エンジン図鑑 : その誕生と発展をたどる 増補改訂』 グランプリ出版 2025.8 p455-461
引揚者 参考文献 大澤重人 『裸足で越えた三八度線 : 「死滅の村」からの引き揚げ』 冨山房インターナショナル 2025.8 p337-341
文化人類学 参考文献 ヴルフC 『アンソロポロジー大系』 東京大出版会 2025.8 p425-449
法社会学 参考文献 村山眞維* 『法社会学 4版』 有斐閣 2025.8 p227-239
野球 引用参考文献 山際康之 『戦争に抵抗した野球ファン : 知られざる銃後の職業野球』 筑摩書房 2025.8 p213-231
ヤドカリ 参考文献 でんか 『今すぐ見つけに行きたくなるヤドカリ探索図鑑』 緑書房 2025.8 p212-213
流体力学 参考文献 石本健太 『面白くて眠れなくなる流体力学』 PHPエディターズ・グループ 2025.8 p159-153
労働問題 参考文献 ルッツT 『働かない : 「怠けもの」と呼ばれた人たち 新装版』 青土社 2025.8 p6-31b

編者:有木太一ふとし紹介

 1968年11月、東京都杉並区の産婦人科で生まれ、世田谷区で乳幼児期を過ごし、小学校入学時に群馬県に移る。市立の小・中学校と県立の高校を卒業し、少し長い浪人期間を経て、早稲田大学第二文学部(現文化構想学部・文学部)に入学。“大学5年生”の時、図書館司書資格関係の講座を受講し、深井人詩・中西裕両先生に師事。この縁で、2018年2月「最近の書誌図書関係文献」を引き継ぐことになった。また、『書誌年鑑』2016・2017年版で編集作業を見習い、2018年版から編者に就任した。現在は東京都特別区西部在住。

 これまで連載を続けられた中西裕先生は、連載開始から満10周年となる2018年1月をもってご勇退されました。2008年2月からの10年間、本当にお疲れさまでした。この2月からは、有木太一が担当します。未熟者ですが微力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。体裁や掲載ルールなどは、基本的にこれまでと同じです。

2018年2月 有木太一

2008年「最近の書誌図書関係文献」再開にあたって (中西ゆたか

 『日本古書通信』誌で長期にわたって連載され、2007年7月をもって終了した「最近の書誌図書関係文献」が日外アソシエーツ社のご厚意でここに復活することとなった。

 歴史をたどってみると、書誌学者天野敬太郎が昭和15年(1940年)に連載を始め、戦争が激しくなったために昭和19年(1944年)に中断、10年のブランクを経て戦後昭和29年(1954年)に再開されている。天野は昭和42年(1967年)に手を引き、深井人詩氏にバトンタッチされた。その後渡辺美好が共編者となった時期を経て、最後に中西が引き継ぐこととなった。中断期間はあるものの、想像を絶するほど長い時代にわたって、この連載は書誌の世界を眺めてきたことになる。

 再開される本連載では『日本古書通信』誌での形式を基本的にすべて踏襲することとした。したがって、ここで紹介していくのは新しく編まれた書誌・目録である。1冊全体が書誌であるものはもちろん、研究書に収められた参考文献なども対象とする。あるいは著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録することとする。もうひとつの柱である「図書関係文献」は年に1回程度とりあげることとなろう。唯一異なるのは書名等の長さに制限を加える必要がなくなったことぐらいである。

 Webの世界に親しんでいない方にご覧いただけないのは残念である。携帯電話を持たず、電子辞書も敬遠している、本質的に活字人間である編者としては、できることなら印刷媒体での再開を企図していたのが正直なところだが、時代は想像以上に進んでいる。昨秋、新語事典が1種を残して刊行休止と伝えられたのは象徴的な事態であった。Web上での新語検索が主流となったことによるという。暮になると店頭に山のように詰まれていた新語辞典を見ることがもうなくなるのかと思うと、まことに寂しい。

 ともあれ、こうして再開されることは編者にとってもまことにありがたいことである。1年間の「書誌の書誌」を集積した『書誌年鑑』を発行する出版社のホームページ上で連載できることはあらゆる意味で願ってもないことである。ぜひご活用いただき、あわせて漏れているもののご指摘などを伺えるとすれば、Webでの公開の意義も高まることであろう。

2008年2月15日 中西 裕(昭和女子大学教授)

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