地方史研究雑誌目次速報 173号(2025.5)
飯澤文夫編|日外アソシエーツ制作(毎奇数月1日ポスト)
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アイヌ語地名研究 (27) アイヌ語地名研究会 2024.12
宮城県
史の杜 (14) 東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門 2025.2
山形県
村山民俗学会 (401) 村山民俗学会 2025.3
山形県地域史研究 (49) 山形県地域史研究協議会 2025.2
福島県
フークトーブ通信 (63) フークトーブ通信社 2025.3
文字摺通信 (81) 文字摺歴史文化社 2025.2
文字摺通信 (82) 文字摺歴史文化社 2025.2
文字摺通信 (83) 文字摺歴史文化社 2025.3
文字摺通信 (84) 文字摺歴史文化社 2025.3
栃木県
鹿沼史林 (64) 鹿沼史談会 2025.2
歴文だより (134) 栃木県歴史文化研究会事務局 2025.2
群馬県
群馬地名だより (106) 群馬地名研究会 2024.10
群馬地名だより (107) 群馬地名研究会 2024.12
群馬歴史民俗 (46) 群馬歴史民俗研究会 2025.3
武尊通信 (181) 群馬歴史民俗研究会 2025.3
埼玉県
草加史談会だより (138) 草加史談会 2024.5
難波田城だより (100) 難波田城資料館 2024.6
武蔵野 98(1) 通号365 武蔵野文化協会 2024.12
武蔵野文化協会ニュースレター (9) 武蔵野文化協会 2024.8
武蔵野文化協会ニュースレター (10) 武蔵野文化協会 2024.12
千葉県
鎌ケ谷市郷土資料館だより (67) 鎌ケ谷市郷土資料館 2024.6
鎌ケ谷市郷土資料館だより (68) 鎌ケ谷市郷土資料館 2024.9
東京都
明日を拓く 50(1)通号224 東日本部落解放研究所 2025.1
足立区立郷土博物館だより (78) 足立区立郷土博物館 2024.3
板橋史談 (323) 板橋史談会 2025.2
奥武蔵 (460) 奥武蔵研究会 2025.4
北区史を考える会会報 (154) 北区史を考える会 2025.2
郷土博物館・文学館だより (55) 白根記念渋谷区郷土博物館・文学館 2024.3
月刊神田画報 (206) カンダデザイン 2025.2
十條村研究 (10) 通号32 榎本龍治 2025.2
多摩地域史研究会会報 (165) 多摩地域史研究会 2025.3
多摩のあゆみ (197) たましん地域文化財団 2025.2
東京大空襲・戦災資料センターニュース (46) 東京大空襲・戦災資料センター 2025.2
みやこどり (69) すみだ郷土文化資料館 2024.6
武蔵国分寺跡資料館だより (54) 武蔵国分寺跡資料館 2024.6
神奈川県
武蔵国分寺跡資料館だより (54) 武蔵国分寺跡資料館 2024.6
大山街道ふるさと館だより (76) 川崎市大山街道ふるさと館 2024.6
大山街道ふるさと館だより (77) 川崎市大山街道ふるさと館 2024.8
柿生文化 (196) 柿生郷土史料館 2024.9
かまくら女性史の会newsletter (124) かまくら女性史の会 2025.2
かまくら女性史の会newsletter (125) かまくら女性史の会 2025.3
県央史談 (64) 県央史談会 2025.1
扣之帳 (84) 扣之帳刊行会 2024.12
新潟県
高志路 (435) 新潟県民俗学会 2025.3
新潟県文人研究 (27) 越佐文人研究会 2024.11
新潟史学 (88) 新潟史学会 2025.2 コラム
2024年6月に、新潟歴史資料救済ネットワークの主催により、新潟大学五十嵐キャンパス中央図書館ライブラリーホールで開催された新潟地震60年・新潟県中越地震20年公開シンポジウム「そなえる・すくう・たちあがる」の参加記を収録する。
シンポジウムは、災害への備え、歴史資料の救済、被災地の復興をテーマに、卜部厚志「新潟平野の地震活動の特徴」、菅瀬亮司「1964年新潟地震の記憶」、矢田俊文「新潟歴史資料救済ネットワークの20年」、松岡誠一「新潟県内の仏像・神像の現状と課題」、竹内春華「デジタル村民とはじめる「村落存亡」をかけた挑戦」、中村元「1964年新潟地震とその復興の歴史的位置-「開発の時代」における意味と課題を考える」の報告を受けて、全体討論が行われた。
新潟県を襲った二つの大地震からそれぞれ60年、20年という節目の年を迎えて企画されたものであるが、折しも能登半島地震で新潟県も被災しており、緊迫性の高いものになったものと思われる。蓄積された過去の経験と知識を次にどのように活かすか、また、人口減少と地方自治体財源のひっ迫により文化財行政に携わる者の減少など、多くの課題が浮き彫りにされている。
報告書の刊行が予定されているとのことで、期待している。
富山県
富山史壇 (206) 越中史壇会 2025.3
とやま民俗 (103) 富山民俗の会 2025.1 コラム
能登半島地震では、輪島市や珠洲市など能登半島の状況にばかり目が行きがちであるが、被害は北陸一帯に及んでいる。能登半島の基部東側に位置する富山県氷見市も、家屋、道路、水道、農業関連施設、文化財に甚大な損害を被った。
廣瀬直樹「能登半島地震と文化財-氷見市における文化財レスキューの取り組みについて」は、同氏が勤務する氷見市立博物館と同館別館の展示施設である氷見市文化財センター、及び、国指定史跡、登録有形文化財(建造物)の被害とそのレスキューの様子を報告したものである。
文化財センターは廃校になった小学校の体育館等を活用したもので、収蔵する登録有形民俗文化財の「氷見及び周辺地域の漁撈用具」は幸いなことに被害は少なかったが、建物のダメージは大きく、半年余の休館を余儀なくされた。
震災で危惧されるのは民家に保存される未指定の文化財である。被災した土蔵の取壊しで、先祖伝来の調度品や、古文書、美術工芸品、農具、信仰用具など貴重な文化資産が災害ごみとして廃棄された。博物館の学芸員は避難所業務に従事する中で、守り伝えていくべき文化財を保存すべく、旧家の土蔵解体の知らせを受けると、何とか遣り繰りして駆けつけ、レスキューに当ったという。
しかし、市全体の被災家屋が1100棟に上る一方で、少ない職員でこなすのは限界がり、レスキューできたのは情報提供も含めて59件に過ぎない。それでも博物館では市民に向けて、「もしかしたら大事な歴史資料かも!? 処分する前に博物館にご一報ください」と呼び掛けている。
福井県
若越郷土研究 69(2) 福井県郷土誌懇談会 2025.1
山梨県
地域と社会 (16) 佐藤弘 2024.12
長野県
飯田市歴研ニュース (134) 飯田市歴史研究所 2025.2
飯田市歴研ニュース (135) 飯田市歴史研究所 2025.4
伊那路 69(2) 通号817 上伊那郷土研究会 2025.2
伊那路 69(3) 通号818 上伊那郷土研究会 2025.3
辰野町資料 (131) 辰野町文化財保護審議会 2024.12
千曲 (182) 東信史学会 2025.2
長野県民俗の会通信 (306) 長野県民俗の会 2025.3
岐阜県
郷土研究・岐阜 (143) 岐阜県郷土資料研究協議会 2025.3
静岡県
静岡県近代史研究会会報 (557) 静岡県近代史研究会 2025.2
静岡県近代史研究会会報 (558) 静岡県近代史研究会 2025.3
静岡県民俗学会会報 (194) 静岡県民俗学会 2025.2
愛知県
あつた (285) 熱田神宮宮庁 2025.1
岩瀬文庫だより (82) 西尾市岩瀬文庫 2024.10
岩瀬文庫だより (83) 西尾市岩瀬文庫 2024.12
刈谷市歴史博物館news (17) 刈谷市歴史博物館 2024.10
新編知立市史だより (14) 知立市教育委員会文化課文化振興係 2024.3
歴史文化館だより (24) 犬山城白帝文庫歴史文化館 2025.3
れきしみち (134) 安城市歴史博物館 2024.10
れきしみち (135) 安城市歴史博物館 2025.1
三重県
まいぶん津 (16) 津市埋蔵文化財センター 2024.6
滋賀県
湖国と文化 49(2) 通号191 滋賀県文化振興事業団 2025.4
天下布武 39 織田信長家臣団研究会 2024.2
天下布武 41 織田信長家臣団研究会 2024.12
彦根城博物館だより (148) 彦根城博物館 2025.3
京都府
会報和訶羅河 (274) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.1
会報和訶羅河 (275) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.2
会報和訶羅河 (276) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.3
会報和訶羅河 (277) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.4
会報和訶羅河 (278) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.5
会報和訶羅河 (279) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.6
会報和訶羅河 (280) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.7
会報和訶羅河 (281) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.9
会報和訶羅河 (282) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.10
会報和訶羅河 (283) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.11
会報和訶羅河 (284) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.12
会報和訶羅河 (285) 城陽の緑と文化財を守る会 2025.1
会報和訶羅河 (286) 城陽の緑と文化財を守る会 2025.2
都藝泥布 (87) 京都地名研究会事務局 2025.3
和訶羅河 緑・教育・文化財 (9) 城陽の緑と文化財を守る会 2024.5
大阪府
大阪の歴史 (96) 大阪市史料調査会 2024.9
大阪の歴史 (97) 大阪市史料調査会 2025.2
つどい (436) 豊中歴史同好会 2025.2
つどい (437) 豊中歴史同好会 2025.3
兵庫県
こうべ空襲だより (24) 神戸空襲を記録する会 2025.2
神戸史談 (322) 神戸史談会 2025.1
地域史研究 (124) 尼崎市立歴史博物館 2025.1
西宮文化協会会報 (683) 西宮文化協会 2025.2
西宮文化協会会報 (684) 西宮文化協会 2025.3
東播磨 (30) 東播磨地域史懇話会 2024.11 コラム
1994年5月に創刊された『東播磨-地域史論集』が、残念ながら当号をもって終刊となる。
創刊以来年刊を維持し、途中1年だけ発行がなかった年があったが、2023年には通常号の他に、特別号として「兵庫県と三木市 小和田神社裏山遺跡検出の瓦塔と兵庫県内検出の瓦塔集成」を発行しており、30年間で30号を達成している。当号にはその総目次も掲載する。
東播磨地域史懇話会の設立経過は定かではないが、東播磨地域における各行政機関の埋蔵文化財遺跡分布調査への協力や、考古部会による兵庫県加古川市神野団地造成に伴う埋蔵文化財調査報告書『西条古墳群』(2022)、古文書部会による『播磨国加古郡下西条村大西二男氏文書資料』(2022)刊行などの活動を続けてきた。
機関誌の終刊は会員の高齢化によるところが大きいようであるが、郷土史研究は今後も続けていくとのことであり、一層の成果を祈念する次第である。
歴史と神戸 64(1) 通号368 神戸史学会 2025.2
和歌山県
紀州古城館情報 (384) 和歌山城郭調査研究会 2024.9
紀州古城館情報 (387) 和歌山城郭調査研究会 2024.11
紀州古城館情報 (388) 和歌山城郭調査研究会 2024.12
広島県
備陽史探訪 (239) 備陽史探訪の会 2025.1
わが町三原 (408) みはら歴史と観光の会 2025.3
愛媛県
いせき ニュースレター (191) 遺跡発行会 2024.9
いせき ニュースレター (192) 遺跡発行会 2024.10
いせき ニュースレター (193) 遺跡発行会 2024.11
いせき ニュースレター (194) 遺跡発行会 2024.12
いせき ニュースレター (195) 遺跡発行会 2025.1
いせき ニュースレター (196) 遺跡発行会 2025.2
いせき ニュースレター (197) 遺跡発行会 2025.3
伊予史談 (416) 伊予史談会 2025.1
砥部古文書の会ニュースレター (16) 砥部古文書の会 2024.10
砥部古文書の会ニュースレター (17) 砥部古文書の会 2024.12
砥部古文書の会ニュースレター (18) 砥部古文書の会 2025.2
西四国所報 (186) 西四国考古学研究所 2024.7
西四国所報 (188) 西四国考古学研究所 2024.9
佐賀県
末盧國 (240) 松浦史談会 2025.2
沖縄県
宮古郷土史研究会会報 (266) 宮古郷土史研究会 2025.1
全国誌
アーカイブ通信 (33) ネットワーク・市民アーカイブ 2025.3
あしなか 331 山村民俗の会 2025.1
家系研究協議会会報 (91) 家系研究協議会 2025.2
儀礼文化ニュース (237) 儀礼文化学会 2025.3
史迹と美術 95(1) 通号948 史迹美術同攷会 2025.1
城だより (674) 日本古城友の会 2025.2
城だより (675) 日本古城友の会 2025.3
大道芸通信 (399) 日本大道芸・大道芸の会 2025.2
大道芸通信 (400) 日本大道芸・大道芸の会 2025.3
東京産業考古学会ニューズレター (168) 東京産業考古学会事務局 2025.1
まつり (86) まつり同好会 2025.3
まつり通信 65(2) 通号636 まつり同好会 2025.3
民俗文化 (36) 近畿大学民俗学研究所 2024.12
寄贈図書
御用録 下(大阪市史史料;第95輯) 大阪市史編纂所 2024.7
杉村久子日記 明治四十四年から大正元年 2(大阪市史史料;第96輯) 大阪市史編纂所 2024.12
火裏蓮華の郷土史家小嶋政一郎 延岡バックステージ 2025.2
編集後記
世田谷区史編さんを巡り、2022年に区が編さん委員に著作者人格権の不行使を求めた問題で、それを拒否して委嘱を打ち切られた谷口雄太青山学院大学准教授と区が和解し、さる4月5日に、同氏が加入するユニオン出版ネットワークと世田谷区史のあり方について考える区民の会の共催で、争議解決報告集会が開かれた。
区は2024年12月23日に、谷口氏と関係者に遺憾の意を表するとともに、「著作者人格権の尊重を旨として、執筆者個人と協議したうえで契約を結ぶこととする」とし、同氏に改めて委員の委嘱を申し出て、同氏は受託し、同日付で辞退した。また、ユニオン出版ネットワークも東京都労働委員会への申し立てを取り下げた。争議はこれで解決となったが、谷口氏は研究成果を活かすことができず、区もまた、それを区史に反映させることができなかったのだから、失ったものは大きい。
それに、いささか釈然としない点も残る。契約に当たって個人との協議とは何を意味するのだろうか。不行使の契約もあるとの余地を残したようにも感じられる。著作者人格権は誰からも侵されることのない所与の権利と思うのだが、フリーランスやポスドクなど立場の弱い研究者の不利益にならないことを願うばかりである。
区が著作者人格権の不行使を求めたのは、著者ごとの見解の相違を調整し、各章の整合性を図り、著者間のトラブルを防ぐためとのことである。自治体史は分担執筆ではあるが、論文集ではないのだから、当然のことである。だが、それをするのが編さん委員会の役割であり、共同研究として行われるべきではないだろうか。委員会の見解や動きがみえてこないことが気になるところである。
そうした中で、2024年1月に区民の会が立ち上がり、勉強会を開催し、区長に対し、著作権及び著作者人格権を奪う契約書の見直しと、「歴史学の最新の成果を盛り込んだ、読みやすく分かりやすい区史を刊行し、合わせて世田谷区の文化財行政のあり方について区民や有識者らの声を聞く場を設け、その声を反映させて改善すること」の要望書を提出したことは意義のあることであった。自治体史は市民のものである。
地方史研究雑誌目次速報 173号 2025年(令和7年)5月1日 発行
編集:飯澤文夫
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